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白味噌(西京味噌)について

白味噌がないとき普通の味噌で代用できるか

白味噌(西京味噌)のお雑煮、お正月白味噌(西京味噌)について

白味噌が家にないとき、その代用を普段使っている普通のお味噌で代用できないか?

12月のお正月準備の時期にそんな問合せを頂くことがまれにあります。白味噌を買いに行く時間がなかったり、はじめて京都のお雑煮を作るときに、それだけのために300gも500gも白味噌は必要ないし失敗して残ってしまうのも嫌、手元にあるもので代用できないか、という質問です。

先に結論、普通の味噌は代用できない

先に結論を言ってしまうと、

普通の味噌で白味噌の代用は不可能

いやちょっと待って、

工夫すれば近い味の物ができるでしょ、
お料理に入ってしまうから区別ができないし誤魔化せる

おっしゃるとおり隠し味的に使うなら代用はできるかもしれません。

しかし、根本的に味噌としての製法も配合も全く違うので白味噌の味が前面に出る料理での代用はほぼ不可か、できたとしても別の料理になってしまう。

ネットで散見する代用方法

ネットで散見される白味噌の代用方法をリサーチしてみました。

  • 同じ発酵食品だから使える
  • 砂糖や味醂を足して甘さを補う。
  • 塩分が低いので1/2など減らして使う
  • 色は変わってしまうが目をつむる

どう見ても無理のある内容ばかりです。甘みをプラスして普通の味噌で代用できるなら、そもそもその料理に白味噌は必要ありません。と言ってしまうと元も子もなく子供じみてますので、

妥協して代用するとしても無理がある料理を簡単に思いつく範囲で上げてみます。

代用が無理な白味噌を使った料理

京都、関西の白味噌お雑煮

白味噌(西京味噌)のお雑煮、お正月

白味噌をたっぷり使ったお雑煮。甘みや風味を邪魔しないよう出汁は昆布で取る。祝大根、金時人参といった具材も香りが強いので下茹でする。

西京漬け

西京漬けで鶏肉を漬ける。

白味噌に具材の臭みを取るため酒・味醂で調味した味噌床に肉類、魚介類を3日ほど漬け込む焼き料理。白味噌のほのかな香りが美味しい。

ぬた和え

わけぎを茹でて、白味噌・お酢・砂糖などで調味したものと和える。ホタルイカ、油揚げなどをアクセントに加えてもいい。酢味噌和えに近いが、からしは使わない。

酢味噌

白味噌にお酢、砂糖、からしを混ぜたタレ。茹でたイカ、タコ、鱧(はも)に添える。白味噌の香り・甘みと、酢・からしのバランスが美味しい。


どの料理にも言えることは白味噌の独特の風味、味を生かした料理で、しかも主体になる味を決めるのが白味噌です。

それを普通の味噌で代用するのはかなり無理があります。同じ発酵食品だから大丈夫なわけはありません。

それは白味噌が全く違う製法で作られているので、独特の風味と甘さがあるためです。

白味噌と普通の味噌との違い

では、なぜ普通の味噌では代用ができないのか、白味噌の違いについて簡単に解説します。

今、取り上げている白味噌の特徴は

関西の白味噌(甘味噌)

関東では西京味噌とも呼ばれる主に関西で製造されている。米麹の比率が高く、塩分5~6%の短期熟成の甘みが強い甘味噌で白色(クリーム色)が特長。米味噌に分類されます。

対して、そうでない普通の味噌とは塩分10%前後の色はさまざまな辛口味噌です。信州白味噌などの白と言われるものも普通の味噌になり、代用ができない違いを見ていきます。

成分

まずは原材料は基本は3点です。

  • 米麹
  • 大豆

これは共通です。普通のお味噌とは中間色系の信州味噌や仙台味噌など日本で一番生産されているのが米味噌です。

実は白味噌も色や甘さが全く違いますが、同じ米味噌なのです。

では、何が違うのでしょうか。

塩分

普通の味噌は塩分10~13%などですが、白味噌は約5%です。

これは甘みを重視するためでもありますが、熟成期間とも関係が深いです。後述

甘み、風味といった別の要素の違いがあるので、単純に普通の味噌の使用量を半分以下にすれば、塩分も同じぐらいになるので代用できる、とはなりません。

麹歩合

まず麹歩合とは、お味噌の米と大豆の質量比です。

米÷大豆×10=麹歩合

麹歩合とは

米÷大豆×10=麹歩合

例えば麹歩合10とは、米10に対して大豆10の比率のお味噌。

白味噌は麹歩合が高い事が特徴で、一般には15~30と言われていて米麹の使用量が多い。

それゆえに一般的な味噌の香りというよりかは、米麹を食べているような独特の風味があります。

市販スーパーに売っている安物の普通の味噌は麹歩合10以下が一般的です。つまり、米麹よりも大豆の比率が多いので、その香りは全く違います。

製造方法の違い

製造方法にも大きな違いがあります。厳密には大豆の処理、米麹作りの温度帯など細かい部分もありますが、代用ができない大きな違いについてだけ説明します。

熟成方法

普通の味噌は明るい茶色や、濃い茶色などの中間色ですが、白味噌に比べれば色が濃いです。

この違いは熟成期間にあります。天然醸造で10ヵ月以上、速醸で3ヵ月以上の比較的長い時間をかけて熟成し、その過程で糖質とアミノ酸が反応するメイラード反応が起こり茶色に変色していき、味噌らしい香りがします。

一方、白味噌の熟成期間は3日程度です。
そして55℃という高温で熟成します。これは甘酒を作るのに似ていて、味噌として発酵熟成する目的もありますが、メインの目的は糖化です。

文字通り、糖に変える、甘くすることが目的なので、普通の味噌らしい香りとは全く違う香りが生まれます。

長く高温を続けると色も変色してしまうので、塩慣れに時間がかからないよう低塩分です。

白味噌をちゃんと買いましょう。

理由をまとめると

風味がまったく違う

たとえ白味噌の塩分に合わせて普通の味噌の使用量を減らし、砂糖・みりんで甘さを加えても、風味が違うので代用は無理です。

特に白味噌が前面に出る料理。

最近は市販スーパーに売っている大手メーカーの商品が小型化しています。以前は500g、400gでしたが300gが主流になってきています。

毎日の味噌汁に少し合わせたり、粕汁に入れても美味しいので何とか使い切れると思うので、ちゃんと白味噌を買って頂きたいです。

さらに違いを良く知りたいという方は以下の記事もおすすめ。

Kokonoemiso Blog 著者

有限会社 九重味噌の5代目を務めております。

九重味噌の主人は歴代全員が醸造の勉強をしたことがありません。日々の味噌造りを通じて試行錯誤し、時に協力いただける取引先に教えを請い、五感を使って感じ取った実際の感覚を頼りに、その裏付けと改善を繰り返し、より良い米麹、より美味しい白味噌をめざして頑張っております。

2006年8月入社
取締役、味噌製造、地方営業発送、ホームページ運営を担当

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