404 NOT FOUND | 白味噌専門の九重味噌 https://www.kokonoemiso.com 手作り製法にこだわる白味噌(西京味噌)の醸造元 Sun, 23 May 2021 21:02:23 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.3 https://www.kokonoemiso.com/wp/wp-content/uploads/2019/08/cropped-icon-512x512-32x32.png 404 NOT FOUND | 白味噌専門の九重味噌 https://www.kokonoemiso.com 32 32 白味噌がないとき普通の味噌で代用できるか https://www.kokonoemiso.com/shiromiso/siromiso-daiyou/ Sun, 23 May 2021 21:02:22 +0000 https://www.kokonoemiso.com/?p=8900 白味噌が家にないとき、その代用を普段使っている普通のお味噌で代用できないか?

12月のお正月準備の時期にそんな問合せを頂くことがまれにあります。白味噌を買いに行く時間がなかったり、はじめて京都のお雑煮を作るときに、それだけのために300gも500gも白味噌は必要ないし失敗して残ってしまうのも嫌、手元にあるもので代用できないか、という質問です。

先に結論、普通の味噌は代用できない

先に結論を言ってしまうと、

普通の味噌で白味噌の代用は不可能

いやちょっと待って、

工夫すれば近い味の物ができるでしょ、
お料理に入ってしまうから区別ができないし誤魔化せる

おっしゃるとおり隠し味的に使うなら代用はできるかもしれません。

しかし、根本的に味噌としての製法も配合も全く違うので白味噌の味が前面に出る料理での代用はほぼ不可か、できたとしても別の料理になってしまう。

ネットで散見する代用方法

ネットで散見される白味噌の代用方法をリサーチしてみました。

  • 同じ発酵食品だから使える
  • 砂糖や味醂を足して甘さを補う。
  • 塩分が低いので1/2など減らして使う
  • 色は変わってしまうが目をつむる

どう見ても無理のある内容ばかりです。甘みをプラスして普通の味噌で代用できるなら、そもそもその料理に白味噌は必要ありません。と言ってしまうと元も子もなく子供じみてますので、

妥協して代用するとしても無理がある料理を簡単に思いつく範囲で上げてみます。

代用が無理な白味噌を使った料理

京都、関西の白味噌お雑煮

白味噌(西京味噌)のお雑煮、お正月

白味噌をたっぷり使ったお雑煮。甘みや風味を邪魔しないよう出汁は昆布で取る。祝大根、金時人参といった具材も香りが強いので下茹でする。

西京漬け

西京漬けで鶏肉を漬ける。

白味噌に具材の臭みを取るため酒・味醂で調味した味噌床に肉類、魚介類を3日ほど漬け込む焼き料理。白味噌のほのかな香りが美味しい。

ぬた和え

わけぎを茹でて、白味噌・お酢・砂糖などで調味したものと和える。ホタルイカ、油揚げなどをアクセントに加えてもいい。酢味噌和えに近いが、からしは使わない。

酢味噌

白味噌にお酢、砂糖、からしを混ぜたタレ。茹でたイカ、タコ、鱧(はも)に添える。白味噌の香り・甘みと、酢・からしのバランスが美味しい。


どの料理にも言えることは白味噌の独特の風味、味を生かした料理で、しかも主体になる味を決めるのが白味噌です。

それを普通の味噌で代用するのはかなり無理があります。同じ発酵食品だから大丈夫なわけはありません。

それは白味噌が全く違う製法で作られているので、独特の風味と甘さがあるためです。

白味噌と普通の味噌との違い

では、なぜ普通の味噌では代用ができないのか、白味噌の違いについて簡単に解説します。

今、取り上げている白味噌の特徴は

関西の白味噌(甘味噌)

関東では西京味噌とも呼ばれる主に関西で製造されている。米麹の比率が高く、塩分5~6%の短期熟成の甘みが強い甘味噌で白色(クリーム色)が特長。米味噌に分類されます。

対して、そうでない普通の味噌とは塩分10%前後の色はさまざまな辛口味噌です。信州白味噌などの白と言われるものも普通の味噌になり、代用ができない違いを見ていきます。

成分

まずは原材料は基本は3点です。

  • 米麹
  • 大豆

これは共通です。普通のお味噌とは中間色系の信州味噌や仙台味噌など日本で一番生産されているのが米味噌です。

実は白味噌も色や甘さが全く違いますが、同じ米味噌なのです。

では、何が違うのでしょうか。

塩分

普通の味噌は塩分10~13%などですが、白味噌は約5%です。

これは甘みを重視するためでもありますが、熟成期間とも関係が深いです。後述

甘み、風味といった別の要素の違いがあるので、単純に普通の味噌の使用量を半分以下にすれば、塩分も同じぐらいになるので代用できる、とはなりません。

麹歩合

まず麹歩合とは、お味噌の米と大豆の質量比です。

米÷大豆×10=麹歩合

麹歩合とは

米÷大豆×10=麹歩合

例えば麹歩合10とは、米10に対して大豆10の比率のお味噌。

白味噌は麹歩合が高い事が特徴で、一般には15~30と言われていて米麹の使用量が多い。

それゆえに一般的な味噌の香りというよりかは、米麹を食べているような独特の風味があります。

市販スーパーに売っている安物の普通の味噌は麹歩合10以下が一般的です。つまり、米麹よりも大豆の比率が多いので、その香りは全く違います。

製造方法の違い

製造方法にも大きな違いがあります。厳密には大豆の処理、米麹作りの温度帯など細かい部分もありますが、代用ができない大きな違いについてだけ説明します。

熟成方法

普通の味噌は明るい茶色や、濃い茶色などの中間色ですが、白味噌に比べれば色が濃いです。

この違いは熟成期間にあります。天然醸造で10ヵ月以上、速醸で3ヵ月以上の比較的長い時間をかけて熟成し、その過程で糖質とアミノ酸が反応するメイラード反応が起こり茶色に変色していき、味噌らしい香りがします。

一方、白味噌の熟成期間は3日程度です。
そして55℃という高温で熟成します。これは甘酒を作るのに似ていて、味噌として発酵熟成する目的もありますが、メインの目的は糖化です。

文字通り、糖に変える、甘くすることが目的なので、普通の味噌らしい香りとは全く違う香りが生まれます。

長く高温を続けると色も変色してしまうので、塩慣れに時間がかからないよう低塩分です。

白味噌をちゃんと買いましょう。

理由をまとめると

風味がまったく違う

たとえ白味噌の塩分に合わせて普通の味噌の使用量を減らし、砂糖・みりんで甘さを加えても、風味が違うので代用は無理です。

特に白味噌が前面に出る料理。

最近は市販スーパーに売っている大手メーカーの商品が小型化しています。以前は500g、400gでしたが300gが主流になってきています。

毎日の味噌汁に少し合わせたり、粕汁に入れても美味しいので何とか使い切れると思うので、ちゃんと白味噌を買って頂きたいです。

さらに違いを良く知りたいという方は以下の記事もおすすめ。

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甘酒のいろいろな違いを簡単に分類してみた https://www.kokonoemiso.com/amazake/amazake-chigai/ Sat, 15 May 2021 22:08:14 +0000 https://www.kokonoemiso.com/?p=8875 2019年ごろにあった甘酒ブームもかなり落ち着いてきて、唸るように市販スーパーに並んでいた商品は今や数種類が並ぶ程度になり落ち着いた様子。フレーバー入りなど今までに無かった商品が登場しました。

弊社では古くからお正月、節分、雛祭りなど行事で近くの神社、仏閣などに甘酒を販売してきました。このブームのときは小型の業務用保温ジャーを導入して、日持ちが短い生・甘酒を少しづつ作れるようにしました。

今回はブームを通して生産販売するなかで経験した甘酒の違いや、選び方について私独自の視点でまとめてみました。

まずは、米麹甘酒と酒粕甘酒の大分類と、さらに米麹甘酒について様々なタイプの違いを掘り下げて行きます。

甘酒の種類

初歩の初歩ですが、甘酒には大きく分けて2種類があります。

  • 米麹から作る
  • 酒粕から作る
板麹

弊社は味噌屋なので米麹は作れても酒粕は作れません。

造り酒屋さんなら酒粕の甘酒ですが、酒も米麹から作るので米麹甘酒も得意としています。酒の米麹は酵素的にも甘酒に通じるものがある。

どちらの甘酒も初めは米麹からできています。

米麹から作る甘酒

作り方

原料は米麹、軟飯(ごはん)、湯の3点。これらを混ぜて55℃の温度を8時間以上保って糖化させることで作ります。

甘さの素になるのは、米麹の糖化酵素が、軟飯(ごはん)のデンプン質や、米麹自身の残るデンプン質を糖化(主にはブドウ糖に変える)することで甘さ得ます。

砂糖などは基本は使いません。

特徴

美肌、健康に良いなど女性が好む効果があると謳われますが、私は実感していないので触れません。

主な栄養分はブドウ糖です。ごはんは炭水化物ですが人間自身の酵素で分解吸収しますが、ブドウ糖は分解の必要がなく、早く体に吸収されます。

ポイント
  • 作るのに8時間以上かかる
  • 米麹の香りが美味しい
  • 急激な糖分の吸収に注意
  • ノンアルコール

なので急激な糖分の吸収になるので、糖尿病をお持ちの人は注意が必要です。

子育て授乳中のお母さんは母乳作りには最適です。母乳量が増えるというのは私の妻で実感済みです。また母乳はお母さんが食べるもので味が変わるというのも有名な話で、青魚を食べると赤ちゃんの食い付きが悪くなったりする。甘酒なら甘くなっていいかも。

勉強など頭を使う作業前に飲むと脳の活性化に良い。

酒粕から作る甘酒

作り方

原料は、酒粕、湯、砂糖、塩、あとは好みで生姜。

重量比で湯:酒粕=(8~3):1の割合で混ぜて、お鍋で火にかけて作ります。そこに甘くするため砂糖を加えてから、最後に塩で味を絞めます。お好みで生姜を加える。

特徴

美肌、整腸作用、健康に良いなどは米麹甘酒と似ている部分もあるのですが、私としては実感できていないので触れません。

食物繊維が豊富といいますが、酒造りで絞り切って残った物で、元は米麹なのですから濃縮されて食物繊維が多くなるということでしょうか。

ネット上のいくつかの作り方レシピを見ると、酒粕の量がレシピによってかなり差があります。酒粕さえあれば、すぐに作れるのは有難い。

ポイント
  • 酒粕があれば、すぐ作れる
  • お酒が苦手な方は不向き
  • アルコール分がある
  • あったまる

注意点はアルコール分が実際にあるということです。妊婦は要注意ですし、運転前に飲むのも避けた方が良さそうです。

複雑な効能よりも、若干のアルコールがあることと生姜を加えれば、冬はかなりあったまりそう。昔から適量の飲酒は健康に良いとされています。医薬品として養命酒なんてものもあるぐらいですから。

米麹甘酒のいろいろな違い

ここまでは甘酒の大分類でしたが、ここからは米麹甘酒について詳しくいきます。

濃縮タイプとストレート

そのまま飲めるストレートタイプと、希釈して飲む2倍や3倍といった濃縮タイプがあります。どちらも製造方法は同じで調整水が多いか少ないかの違いです。

実際に購入するときは価格的にどちらがお得か計算しましょう。

ストレートタイプの特徴

すぐ飲める手軽さが最大のメリット。毎日飲むのであれば手軽であるのはとっても重要で続けられるか否かのポイントになります。

1食用の飲み切りになっている紙パックや缶も使いやすいです。ただし保管する場所が広くなってしまったり、ゴミが多くなってしまったりとデメリットもあります。

すぐ飲める反面、飲むしか食べる方法がないのもデメリットになります。

濃縮タイプの特徴

すぐ飲めない、調理が必要なのが最大のデメリット。毎日飲むのであれば、飲める程度の量をまとめて希釈して、火入れしてから冷蔵保存するなど工夫をしないと手軽には飲めません。しかし、好みの濃さに調節できるのは嬉しい。

メリットは甘味料として砂糖の様に使うことができます。飲む用途以外の使い方が広がります。

例えば
  • ヨーグルトにかけたり
  • スムージーに混ぜたり
  • シリアルに混ぜたり
  • ジャムの様に使う
  • 砂糖の代わりに料理で使う

工夫しだいで様々な方法があります。甘味料として使っているとあっという間に使い切ってしまいそうです。

砂糖の糖度は約100です。

対して、米麹甘酒の糖度は商品によってまちまちですが、一般的な濃縮タイプなら40~50なので砂糖と同じ効果を出すなら倍以上使う必要があります。

しかし、甘さの質も違うので砂糖と併用するなどして工夫して節約するものOKです。

粒状とペースト状

ご家庭で炊飯器やヨーグルトメーカーで甘酒を作ったときは米麹とご飯の粒が残るのが普通ですが、商品の中には粒をつぶしてペースト状にしたものがあります。

ペースト状のメリットは甘味料として料理に使った場合、いつも食べている料理の外観が変わらない点。粒を残した甘酒なら米粒が料理に残って見えてしまいます。当たり前のことですが…

甘酒ブーム以前は「飲む」が主流でしたが、甘味料としての用途が広がればペースト状のほうが汎用性が高くなりメリットが多いようです。

飲む際でも粒が残っていると喉越しが悪いとうことで、女性、子供はペースト状が好まれる傾向があると同業者さんから聞いたこともあります。

生産者の視点からは、粒が残っていると火入れ加熱殺菌したときに温度ムラになり同じ品質のものを作りにくいなどの理由もあるそうです。

全麹の甘酒とは

全麹甘酒とは、
ご飯は使わず米麹だけで作る甘酒のことです。

特徴
  • 甘さはやや控えめ
  • 酵素量は多い
  • 米麹の香りが強い
  • コストがかかる

前述、甘酒は米麹の消化酵素がデンプン質を主にブドウ糖に分解することで甘さを得ます。米麹だけではデンプン質が不足するので、ご飯を加えてやることで糖化する材料を与えてやる意味があります。

つまりは全麹甘酒は酵素量は多いですが、糖度においては比較的低いということです。

弊社は伝統的に全麹かつ濃縮で生産しています。実際に米麹の酵素量の分析をして完成した甘酒の糖度の計測を毎回行っていますが、糖度40前後まで上がりますが以上にはなりません。

濃縮でご飯を加えた甘酒の糖度は50近くまで上がります。

生甘酒と、そうでない甘酒の違い


特に定義が決まっている話は聞いたことがありませんが、生産者から言わせると以下、

生の甘酒とは

甘酒完成後、消化酵素を失活させ、同時に不要な雑菌も殺菌する火入れ加熱殺菌処理をしていない甘酒のこと

火入れをしていない甘酒の日持ちは1週間程度とかなり短く、市販スーパーに流通させるには無理があります。

そこで完成した甘酒をスパウトパウチや瓶容器などに入れて容器丸ごと80℃以上、20分間以上といった基準で加熱(火入れ)をすることで、米麹の消化酵素を失活し、雑菌を減らすことができ劇的に賞味期限を延ばすことができます。

一般的には賞味期限が6カ月~1年などに伸ばせます。

生甘酒のメリット・デメリット
  • 麹の消化酵素が生きている
  • 日持ちがしない
  • 必ず要冷蔵
火入れするメリット・デメリット
  • 賞味期限が長い
  • 常温保存も可能
  • 消化酵素は失活

健康思考で「酵素も生きたまま取り入れたい」という人もおられますが、私個人としては効果を実感していないので、それほど生こだわる必要があるのかは疑問です。栄養素としてはどちらの甘酒も完成した時点で同じです。

生甘酒の日持ちの悪さは冷凍保存することで1~2ヵ月保存できるのでカバーできます。

消化酵素が活性しているメリットを生かすなら漬け料理もできるのが生甘酒の特徴。ただし塩分がないので調理の際には素材が傷まないよう漬け時間には注意が必要です。

最後に

いかがでしょうか、甘酒といっていも様々特徴があります。

重要なのは、手軽に、難なく、毎日飲んでも苦にならない、手間にならないが一番大切です。

それぞれの特徴を理解したうえで自分が飲みたいと思う甘酒探しの参考になれば幸いです。

健康のために飲むなら以下の記事「甘酒の酵素添加」段落部分もおすすめです。

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白味噌(西京味噌)に入っている添加物は、どんなものがありますか。 https://www.kokonoemiso.com/shiromiso/siromiso-tennkabutu/ Thu, 17 Aug 2017 01:15:41 +0000 http://www.kokonoemiso.com/?p=2264 「無添加ですか?」

お客様さんからしばしば受ける質問です。
食品のなかでお味噌は比較的には食品添加物が少ないのですが、まったく入っていないわけではありません。白味噌(西京味噌)にも添加物は入っています。

最近は包材の技術が向上して無添加のカップ入り味噌がスーパーに並んでいるのを見かけますが、包材価格が高価なのでお味噌の値段が上がってしまったり、味噌の変色スピードが速く品質の均一化が難しかったりと問題があるので無添加味噌はごく一部の商品にとどまっています。

色の白い白味噌(西京味噌)は特に普通の味噌よりも品質をシビアに監視しなければならいので、市販スーパーでは必ず食品添加物が入っています。

今回はご質問の多い味噌に使われる食品添加物を少しお話したいと思います。

販売店さんも意外に知らない味噌の添加物

悲しいことですが、ネット販売で無添加でない味噌を無添加と表示して販売されているのを見たことがあります。販売されているお店は商品を仕入れて販売するスタイルで、他にも沢山の商品を扱っているお店でした。おそらく味噌の添加物についての知識が十分でなかったのではないかと思います。

お味噌の主な添加物
  • 酒精
  • ソルビン酸
  • ビタミンB2
  • 調味料(アミノ酸等)
  • 次亜硫酸ナトリウム

以上の5点が添加物でよくお味噌に使用されているものになります。酒精は代表格です。白味噌や通常の味噌など種類を問わず入っています。ビタミンB2、次亜硫酸ナトリウムは白味噌(西京味噌)によく使われる傾向です。

酒精(アルコール)

お味噌の添加物代表です。白味噌(西京味噌)や種類にかかわらずほぼ入っています。

主な目的は保存です。お味噌は発酵食品なので、ほおっておくと熟成が進み炭酸ガスを発生します。そうすると味噌のカップ容器や袋が発生した炭酸ガスで膨れて、最悪破裂します。酒精を添加することで発酵を抑えてパッケージされた味噌がそれ以上に発酵しないようにする目的です。

白味噌(西京味噌)は塩分が低いので通常の味噌よりも温度の影響を受けやすく発酵が進みやすいので気持ち添加量が多いかもしれないです。

酒精は95度など非常に高い度数の醸造アルコール(エチルアルコール)です。透明の水のようなサラサラとした液体です。味は強い苦味辛味があります。特に健康被害が出るような添加物ではありません。

九重味噌の一部商品では生産最終段階の白味噌に正確な量を添加しております。

妊婦や授乳中のお母さんなどからアルコールの影響がないか?など質問を頂きますが添加量2~3%と非常に少ないうえに、みそ汁のように加熱をされるとアルコールは飛んでしまいますので特に注意は必要ありません。

酒精が白味噌(西京味噌)に与える副作用

非常に強い辛味苦味があるので、通常の味噌よりも味が繊細な白味噌(西京味噌)に添加すると、味に影響してしまいます。できるならば無添加の白味噌(西京味噌)があれば、そちらの方が美味しいことは間違いありません。

ソルビン酸K

カビ、細菌の発生を抑える添加物です。酒精と同じ目的で使われます。味噌で使用されるケースは少なくなっていますが白味噌でも使用されているメーカーがあるようです。主流は酒精になっています。

人体への影響は

遺伝子を突然変異させたり、発がん性があったり、あまりいい影響はないようです。食品中に含まれる量はわずかですが、ハム、ソーセージ、練り物、ワインなど幅広く使用されているので重複して接種してしまう可能性も多いにあるようです。また他の食品添加物との相性が問題で発がん性が強くなることがある。

ネット上では健康に良くないという記事が沢山あるようですが、食品添加物として安全が確認されているので、絶対に避けるべきとは思いませんが、ソルビン酸Kが入っていないものがあれば、そちらを選んだ方が良さそうです。

ビタミンB2

一見すると体にいいイメージのビタミンB2ですが、お味噌に入れる場合は着色が目的です。

お味噌は酸化すると表面の色が徐々に灰色がかってきて冴えない色になってきます。そこでビタミンB2を入れることで時間が経過しても鮮やかな色を保てるようになります。酒精添加でお味噌の熟成による褐変を抑え、かつビタミンB2を添加する合わせ技が使われます。

特に白味噌は塩分が低いので市販スーパーで販売する際には酒精は必須ですが、常温で販売されるので白味噌にとっては過酷な環境です。なのでビタミンB2でより万全に品質を保ちます。

ビタミンB2が健康に悪い影響はありません。ただ、本来お味噌に必要ないものが入っているのは原材料表示を見れば分かりますので、良い印象をお客様に与えるものではないでしょう。

調味料(アミノ酸等)

グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムといった化学的に合成された化学調味料です。アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の4つの種類があり、特にアミノ酸グループのものは括弧下記で表示し「調味料(アミノ酸等)」となります。

個人の体質によりますが、少量でも体に異常の症状がでる方もおられるようなので、注意が必要です。

だし入り味噌によく使われており、単体で入っているケースや、昆布エキス、鰹エキスなどのと一緒に使われているケースなど様々ですが、それだけで出汁をとらなくていいほど強い旨味はありません。

結局、みそ汁にする際に出汁をとるなら不要ですし、健康にも悪い話を聞きますのでわざわざアミノ酸が入っている味噌を買う必要もないような気がします。

次亜硫酸ナトリウム

味噌の業界では大豆の脱色、漂白として使用されています。特に白味噌業界では白くキレイな白味噌にするために大豆のために漂白します。

最近は次亜硫酸ナトリウムを使用している白味噌が少なくなりました。健康、安全志向の意識が高まっていますので、原材料表示に次亜硫酸ナトリウムが表示されているとお客様からのイメージが悪くなることを考慮しているようです。ただし、製造工程で取り除かれるので加工助剤の扱いになり原材料には表示されないケースがあるので注意です。

本来、白味噌は大豆を煮る段階で何度も煮汁を交換し白く仕上げる製法が一般的です。それには大量の水と時間が必要なので製造効率を上げるために漂白剤が用いられます。

いいお味噌を見分けるために

ざっくりお味噌にまつわる添加物をご紹介しました。

白味噌の中にはここで挙げた添加物がもれなく全て入っている白味噌もあります。正直、ちょっとびっくり高価な白味噌でした(-_-;)

今回、ご紹介した添加物はほとんど原材料表示を見れば一目でわかる物ばかりです。本来、味噌には必要のないものが何故に使われているのか知っていただければ幸いです。

実際に商品を手に取って判断するとき、商品の表示が見れば分かる内容をまとめた以下の記事もおすすめです。

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【表示でわかる】白味噌の選び方、おすすめポイント https://www.kokonoemiso.com/shiromiso/siromiso-choice-point/ Thu, 06 May 2021 08:53:58 +0000 https://www.kokonoemiso.com/?p=8841 スーパーに買い物に訪れたときは、職業病からかフラフラと味噌コーナーに行って物色するのが習慣になっています。自社の白味噌を置いて頂いているところは品質チェックも兼ねてます。

その時、味噌屋稼業をしている私が何を見ているのか。

一般の方が見てもわかる白味噌を購入するとき、外装パッケージを見てすぐに分かる選び方のポイントをお話ししていきます。ネット購入をする場合でも有効なので是非ご一読ください。

白味噌とは、

まずは白味噌について定義をはっきりとさせておく必要があります。ここでは関西でいう白味噌(甘味噌)を取り上げますので、信州味噌系の白味噌と混同しないように注意です。

関西の白味噌(甘味噌)

関東では西京味噌とも呼ばれる主に関西で製造されている。米麹の比率が高く、塩分5~6%の短期熟成の甘みが強い甘味噌で白色(クリーム色)が特長。米味噌に分類されます。

今回は白味噌のパッケージ外装を見て判断できる選び方のポイントについての記事なので、白味噌自体の説明については以下を参照してください。

白味噌の選び方、外装の表示でチェックするべきポイント

先ず最初に見るべきは、消費者に最も分かりやすいのが食品一括表示です。

表示内容が法律でしっかり定められていて、どの食品商品も一定のルールに沿って表示されているいます。

なので、表示ルールと、食品自体の特徴(例えば味噌)の2つを知ることで見えてくるものがあります。特に味噌は単純なので簡単に覚えられると思います。

冒頭のアイキャッチ画像は弊社の「並・白味噌」の原材料表示です。例にとって見ていくと分かりやすいです。

原材料で配合が分かる

ポイント

原材料表示は、原材料の重量割合が高い物から順番に並べられている。

これは流石にご存じの方が多いと思います。原材料の中で一番多い材料が先頭になり、2番、3番…と続きます。この順序の中に添加物は含まれません。添加物は原材料の最後に「/」の後にまとめて表示されます。後述します。

例の原材料表示も1番先頭には「米」が来ています。

白味噌の原材料で見るべきポイントは

白味噌は麹歩合20など高いことが特徴なので、当然ですが原材料の1位に来るはずです。詳細な麹歩合といった配合比率まではわかりませんが、

信州味噌などの関西白味噌(甘味噌)ではない白味噌と呼ばれている味噌と区別するポイントになります。

信州系の白味噌ならば「大豆」が1位に来ていることが多いです。必ずというわけではありませんが、判断するポイントになります。

原料の産地が分かる

ポイント

原材料重量割合で1位の材料は産地の表示義務があります。

2022年4月より加工食品の原材料重量割合で1位は産地表示が義務化になります。この記事を製作中の2021年5月でも既に新表示に移行しているメーカーもあるのでチェックすると面白いです。

国産原料にこだわる方はチェックしましょう。

例の弊社白味噌の表示では「米(アメリカ産・国産)」となっています。同じ米でもブレンドされているので配合が多い順番で産地国を表示しています。

新表示移行前の表示をしていたとしても、白味噌・味噌で国産原料を使用しているのは大きなアピールポイントなのでパッケージの正面に謳われていることが多いです。

実は日本のお味噌の生産のうち、おそらく90%が米・大豆いずれかが外国産原料です。

「/」の後ろには添加物

原材料の最後尾に「/(スラッシュ)」で区切りた後ろ側は添加物になります。

例の表示も「/酒精」となっています。この場合は酒精が添加物になります。

こちらはすでに表示義務化が完了しているので、どの食品も共通です。主に白味噌に使われている食品添加物について簡単に見ていきます。

酒精

95%以上などの高度数のアルコール。白味噌の発酵止めが目的で使用されます。発酵食品では最も一般的な添加物で、健康への悪影響もない。発酵止めしないと発酵ガスが発生して包装袋がパンパンに風船のように膨れて、最悪の場合は破裂します。

ソルビン酸K

こちらも防腐、発酵止めが目的の添加物で味噌にも使用されています。ただ最近は使っている白味噌・味噌は見かけなくなりました。

酒精でも代用が十分効くので、あえて使用する必要もないかと思います。

ソルビン酸カリウムは、単体でも危険性があると言われていますが、他の食品添加物との組み合わせにより、発がん性が指摘されています。

https://news.whitefood.co.jp/news/tenkabutsu/8427/

ビタミンB2

白味噌ではよく使われる添加物です。

「味噌汁でビタミンも一緒に取れてラッキー」ではありません。こちらは着色料として使われます。自然なクリーム色(とはいえ不自然)を出すために使用されています。

栄養強化の側面もありますが、合成着色料になるので基本は入っていないに越したことはありません。危険度は低いと思います。

次亜硫酸ナトリウム

漂白剤です。白味噌では大豆を白く淡色に炊き上げるために使用する。ビタミンB2と合わせて使用することで綺麗な淡色の味噌に仕上がる。

美しい淡色の白味噌とはいいますが、こういった添加物は使用していない弊社から見ると不自然に綺麗で、ビタミンB2の加減から不自然にどぎつき黄色に見えます。

SO2の残存量が10ppm(0.1mg%)以下の場合は加工助剤とみなされる。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/86/10/86_10_759/_pdf

加工助剤と扱われるレベルまで製品中の残留量が少なくなると原材料表示には表示されない。

実際はそこまで減らせることができるのか不明ですが、表示されていない場合、心配であればメーカーに問い合わせるしかありません。

塩分が分かる

商品への栄養成分表示が義務となっています。表示項目は以下

  • 熱量
  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • 食塩相当量

白味噌の選び方のポイントとしては「食塩相当量」を見ます。

普段使いの味噌汁ようの味噌なら塩分10~13%ぐらいです。白味噌の場合は塩分5%前後で表示されているはずです。信州系白味噌の場合は塩分が前者のように塩分が高いはずなので、関西でいう白味噌(甘味噌)をお買求めの場合は前述の「原材料1位に米」とこの「塩分5%前後」を確認すると間違うことはほぼありません。

賞味期限から製造日を予測

業界的に白味噌の賞味期限は4~5ヵ月なので逆算すればおおよその製造日が分かります。新しい物を選びましょう。

特に夏場はお味噌の売れ行きが悪い季節です。それにも増して白味噌は特に動きが悪くなるので長期在庫になりやすい。なので夏終わりから秋口にかけては長期在庫の陳列が多くなる可能性があります。

白味噌の色はどうか?

賞味期限の話とかぶりますが、長期在庫になれば白味噌の色は淡色ではなく、イメージとしては黄色といった色に変色していきます。同じ陳列棚でも色の濃い物、淡い物がないかチェックするといいです。

異常に鮮やかな色

前述の添加物の話とかぶりますが、異常に鮮やかな淡色の白味噌は添加物が盛りだくさんの場合もありますので、選ぶさいに気になる方は原材料表示のビタミンB2、次亜硫酸ナトリウムをチェックしましょう。

外装に異常はないか、膨れていないか?

単純な話ですが見た目に商品に異常がないか、意外と見落としがちですが最低限の選ぶポイントです。

特に夏場に多いですが陳列環境がどうしても悪くなる季節なので、賞味期限内であっても白味噌が異常発酵(再発酵)して炭酸ガスが発生し、パッケージが膨れかけている商品を目にすることがあります。

白味噌の回転が悪い夏場や、長期在庫品にしばしばみられますので、あまり味噌コーナー動いていないなぁと感じるスーパーでは、しっかり商品を手に取って注視してください。

ここまで新しい白味噌を買うためのポイントをおすすめしてきましたが、実は白味噌は古いほうが美味しい。興味のある方はこちらへ

水飴が入っていない白味噌が欲しい人へ

本来、白味噌は「米麹・大豆・塩」だけで十分に甘く仕上げることができます。大手メーカーの白味噌も水飴を使わなくても甘いはずなのですが、より安定した甘味と艶照りを出すために大半の白味噌で水飴などの甘みが使われています。

例え水飴が使用されていたとしても、白味噌の風味であったり、米麹由来の甘みが十分含まれていれば、違和感少なく美味しいと思います。

石野味噌さんが水飴を使用されていないと記憶しています。。しかし白味噌らしい甘味が足りません。甘さ控えめが好みの方にはおすすめ。

最後に、

この記事の内容、「白味噌の選び方でおススメのポイント」は商品のパッケージ外装と食品一括表示で確認できるものばかりです。

ネット販売では実際に白味噌を手にっとって見ることはできません。以前よりかは実際の商品にある食品一括表示が販売ページに掲載されているサイトも多くなってきました。ざっと見た感じでは楽天が表示がしっかりている印象、Amazonは商品によりまちまちといった感じです。

ご参考になれば幸いです。

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豚肉の西京漬けレシピ【節約ポイント解説】 https://www.kokonoemiso.com/blog-recipe/pig-saikyouyaki-setsuyaku/ Mon, 06 Jul 2020 21:46:23 +0000 https://www.kokonoemiso.com/?p=6033 「高い・面倒・時間かがかる」のイメージの西京漬けですが、ジップロック袋と調理済みの完成味噌床を使うことで簡単に白味噌を節約できて、場所を取らない少スペース化もできる。

「安い、簡単、美味しい」のイメージを西京漬けに持ってもらいと思います。

豚肉の西京漬けレシピ

今回は豚肉ですが、基本は何でも漬けれますし魚でも同じ要領でできます。一つマスターすれば、一気にデパートリーが増えてるので嬉しい。

ジップロック保存袋術も材料を選ばず使えるので応用が利きます。

どこが節約???

トレイ容器などを使って魚1切れを西京漬けするには味噌が約100g~150gで、4切れだと400g~600gの味噌が必要です。素材の量・形に合わせた容器を探して節約を心がけての条件付き。

ジップロック保存袋を使うと1切れあたり100g以下で漬けれます

しかも、素材の量にぴったりの容器を探す手間も省けて時間節約。

使用した白味噌はこちら

西京漬けに特化した調理済みの専用味噌床です。そのまま使えます。

このお味噌でなくても節約術は使えます。
味噌選びでの注意点は、塩分が低い関西で言うところ白味噌を選ぶこと。

たまに「普通の味噌でも味付けすれば使える」みないなことを言うレシピを見かけますが、

代表 5代目
代表 5代目

できるわけないやろ(-_-;)

白味噌の独特の風味がないし、ぜんぜん別物になるし!!

作り方

準備するもの
  • 豚ロース肉 300g (2~3人前)
  • 九重味噌 西京漬けの白味噌 250g
  • ジップロック保存袋 大
豚肉の西京漬けで準備した材料、調理道具

1、準備するもの

こんな感じです。
他は家にある物で行けます。

豚肉に西京漬けの味噌床を塗る、豚肉の西京漬けレシピ

2、豚肉に味噌を塗る

袋に入れる前に味噌を塗っておくとなじみ易いです。

慣れれば、袋に直接でもいいかも。

ジップロックなどのチャック付きの保存袋に入れる、豚肉の西京漬けレシピ

3、ジップロック保存袋に入れる

後から残りの味噌も入れていきます。

西京味噌を足して封をしチルド室で熟成、豚肉の西京漬けレシピ

4、冷蔵庫で3日間、漬ける

味噌を袋全体に均等に行き渡るようにし、なるべく空気が入らない様に抜きチャックを閉じます。そのまま3日間、漬けます。

取り出す。キッチンペーパーで余分の白味噌をふき取る、豚肉の西京漬けレシピ

5、取り出す

キッチンペーパーなどで余分な味噌を軽く拭き取ります。

取り出した状態、これから焼きます。豚肉の西京漬けレシピ

6、すべて取り出しました。

こんな感じ。

豚肉の西京漬けを焼く。

7、西京漬けを焼く

今回は手軽にフライパンで焼きました。油は引きません。

片面に焦げ目がついたら裏返して、中まで火が通るように焼きます。

次に焼くときはフライパンに味噌が残っていたら拭き取ります。焦げ防止になります。

豚肉の西京漬けレシピ

8、手頃な大きさにカット、盛り付け

洋風ぽっく盛り付けましたが、和風なお皿に盛りつけても雰囲気あって良さそうです。

白味噌特有の香りがして、上品で、美味しい豚肉の西京焼きの完成です。

節約、失敗、成功のポイントまとめ

ちゃんとした白味噌を選ぶ

自宅にある普通の味噌でも西京漬けができることは、ありません。

関西で言う白味噌は塩分5%前後の甘口の米味噌を言います。白味噌(西京味噌)の独特の風味があり、西京漬けの特徴です。

漉しタイプ、粒タイプどちたでもOKです。今回使用した味噌のように予め味醂や酒が調合されて味噌床用で売られているものでもOK。

「普通のお味噌でも砂糖や味醂で調味すれば代用が可能」と解説するサイトもありますが、はっきり言って白味噌の独特の風味、甘味はありませんの。他の味噌では代用はできません。

白味噌の選び方については以下の記事が参考になります。

時間短縮には完成した西京漬け用の味噌を用意する

白味噌と味醂・酒を合わせて均一になるまで混ぜるのは思った以上に手間です。普段、時間が少ない人は、こういった部分が面倒になって西京漬けをしないという人も多いです。

すでに調合済みの完成した西京漬け味噌床を購入しておけば大幅時間短縮になります。

またグリルではなくライパンで焼くのも洗い物が減るので時間短縮です。

味噌が付いていると焦げやすい

普通の焼き物と違って素材に味噌が残った状態で焼くので、焦げやすいのが一番の失敗ポイントです。

グリルを使う際は焦げ目がつきすぎないよう、適度な焦げ目がついたらアルミホイルを一枚入れましょう。

フライパンの場合はクッキングシートを引いて焼くと引っ付かないので、焼きやすくなります。

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【初心者向け】白味噌とは、地域・特徴・製法の視点から https://www.kokonoemiso.com/shiromiso/siromiso-toha/ Tue, 27 Apr 2021 21:22:25 +0000 https://www.kokonoemiso.com/?p=8766 「白味噌をはじめて買おうか」という初心者の方向けにお送りします。

白味噌について基本から、少し詳しいことまで正しく知ることで購入検討の際に役立つ基本的な情報としてお役に立てればと、白味噌の醸造元の視点から記事にしてみました。

おすすめ・ランキング記事は白味噌の間違った情報も…

白味噌を初めて購入するとき、皆様はどんな情報を参考にされるのでしょうか。

はじめからネットで購入を考えている人なら、真っ先にAmazon、楽天といったショッピングサイトに行かれて検索されると思います。

わずかですが、信州系の白味噌と関西系の白味噌が混同されて掲載されいますので、初めて購入を検討される人には不親切です。

ネットで情報を集めて購入は地元のスーパーで買いたい場合はGoogle検索する人もおられます。

検索結果にはお役立ち記事やランキング記事が最初にヒットしてきますが、これが曲者で白味噌の間違った情報が掲載されています。

残念なことに検索結果上位に出てくる記事内容が酷かったです。ランキングもでたらめです。

白味噌の醸造元として正しい情報を発信しなければ、と思いました。

白味噌とは

ここで取り上げる白味噌とは、その定義についてしっかり理解しておかないといけません。お味噌の色だけで分類すると信州味噌の白系も入ってしまうので、しっかり分けておく必要があります。

関西の白味噌(甘味噌)

関東では西京味噌とも呼ばれる主に関西で製造されている。米麹の比率が高く、塩分5~6%の短期熟成の甘みが強い甘味噌で白色(クリーム色)が特長。米味噌に分類されます。

白味噌(甘味噌)ではないもの見分け方

対して、白味噌と呼ばれているが、関西白味噌とは違う味噌とはどんなものがあるか。代表されるのは信州味噌の色の白いものを「白味噌」と呼ぶことがあります。

信州味噌は甘味噌ではありません。もし購入されるとき区別するポイントは表を参考に。

ポイント白味噌(甘味噌)甘味噌ではない物
塩分約5%前後約10%前後
原材料米が必ず1位1位に大豆が来る
白味噌(甘味噌)を区別するポイント

特に塩分は必ずといって良いです。

原材料は配合割合が最も多いものが表示順で1位にくるルールがあります。

信州味噌でも麹歩合が高い商品もあると思いますので、必ず1位大豆とは限りません。

この2点を抑えておけば間違って購入することはないでしょう。

主な地域はどこ?

白味噌の有名な産地
白味噌を製造する有名産地です。府中味噌、西京味噌、讃岐味噌。その他、甘味噌は全国で食文化に限らず作られている。

主な地域は、広島県から香川県、京都府までが主な産地ですが、近隣の県でも生産があります。

特に広島県は府中味噌、香川県は讃岐味噌、京都府は西京味噌と呼ばれています。

関西人は特にそれぞれを、あえて分けて呼ぶことはなく、関西では白味噌とひっくるめて一括の呼び方で通るのではないでしょうか。

白味噌の雑煮文化と、生産地の関係

白味噌(西京味噌)のお雑煮、お正月
お正月にいただく白味噌のお雑煮

弊社のある滋賀県は京都府に近いこともあり、大津市内(主に南部)では白味噌のお雑煮でお正月を迎える文化が古くからありますので、文化的な生産の最東端かもしれません。

ただし、広島は府中味噌という白味噌の有名産地でありながら、お正月のお雑煮はすまし汁という地域もあります。

実際は味噌作りは商売ですから、長野県信州味噌のマルコメなど地域文化に関係なく、関西甘味噌を作っていたりします。

となると、主な生産地域のメーカー=白味噌とも限らず、他の地域でも白味噌が作られていますので地域でザックリ判断することはできない一面もあります。

白味噌の特長

カスタードクリームのような白い色

言葉通りの真っ白ではありません。明るい黄色と白を混ぜたようなカスタードクリームのような感じの色です。

他のお味噌と比較してその色は群を抜いて白く、白味噌の製造方法にはその色を出すための工夫がされています。

影響が大きい独自の工程は、大豆の処理、熟成方法です。後述します。

ずば抜けた甘さ

圧倒的な甘みがあります。米麹がもつ糖化酵素による甘さなので砂糖のような甘さとは違います。米麹の香りがするもの特長です。

普段使いの味噌のイメージとは全く違うので、普通の味噌汁を作る感覚の量感で使うと失敗します。

甘さに関係が深いのは麹歩合と、工程では熟成の工程です。

原材料から見る特長

白味噌の国産原料
米味噌の原材料は米・大豆・塩からなる

白味噌は米味噌に分類されます。

全国で作られるお味噌の80%は米味噌と言われています。

米を麹にして、大豆、塩で構成されます。基本はこの3種の配合と製法の違いだけで多様なお味噌を作ることができます。

「米・大豆・塩」この3点だけがお味噌の構成で、白味噌においては、水飴、砂糖などは本来は不要の原料です。酒精などの添加物も同様。

高い麹歩合

白味噌は麹歩合20以上など、麹歩合が高いことが特長です。米麹の比率の高さが独特の香り、甘さを作ります。

麹歩合とは米麹と大豆の比率です。この比率がお味噌の性格を決める重要ポイント。

例えば、米麹20に対して大豆10の比率で仕込んだお味噌は、麹歩合20(2倍麹、倍麹とも言われます)といいます。

麹歩合10なら、米麹10:大豆10となります。等倍麹とも言われます。

低塩分5%前後

一般のお味噌は塩分10%前後に対して、白味噌は約5%でかなり低いです。単純に塩分が高いと辛くなってしまうという理由もありますが、熟成期間と関係が深いです。製法の部分で後述。

米麹由来の繊細な甘さを邪魔せずに引き立てることが重要です。

白味噌独特の製造方法

  • 大豆の脱皮
  • 大豆を煮る
  • 熟成
  • 白味噌に適した麹作り

次は製造工程から違いを見ていきます。基本は普通のお味噌と同じですが、白味噌独自と言える工程があります。

この4つの工程は全く違うので紹介したいと思います。これがなければ白味噌ではない、と言えるほど重要かつ普通の味噌との違いです。

大豆を脱皮

大豆脱皮、白味噌(西京味噌)の作り方、手順
大豆の薄皮を専用の機械に通し脱皮する。白味噌では皮の処理は製品の色に大きく影響する。

大豆の薄皮を全て取り除きます。現実的には皮をゼロにすることは難しいですが、機械を使ってできるだけ脱皮します。

通常の味噌は大豆をそのまま使います。白味噌では以下の2つ理由から皮は都合が悪いのです。

■きめ細かっく仕上げる
皮が付いているとすりつぶしたときに荒さが残ってしまいます。キメ細かくクリームシチューの様に仕上げるには脱皮が不可欠。

■白く仕上げるため
白味噌は熟成で高温をかけるので大豆の薄皮が赤黒く変色してしまいます。それが大量にあるとキレイな白色に仕上がらないためです。

大豆は煮る

大豆煮で蒸かして灰汁をとる、白味噌の作り方
大豆を煮て噴かしている様子

通常の味噌は大豆を蒸します。今は圧力釜を使って短時間で蒸している蔵が多いです。

白味噌は大豆を白く仕上げるために「かぼし炊き」とう手法をします。

煮汁が沸騰してきたら故意に釜を噴かして大豆の薄皮や灰汁を噴き出し、一旦煮汁を全て捨てます。そして、新しい水に交換して再び噴かすを繰り返し、大豆を白く炊き上げます。

現在は機械が進歩して大豆脱皮ができるので「かぼし炊き」を徹底する蔵は無いと思います。弊社も噴かす回数は1回で水替えは3回行っています。

製麹の温度帯

米麹
白味噌の米麹は糖化力、蛋白分解力ともに強く、早熟であることが求められます。

白味噌の米麹は独特です。

普通の味噌では大豆のタンパク質を分解する蛋白分解酵素のプロテアーゼ系を多く作るように、製麹中は35~38℃が適温と言われています。

白味噌は加えて甘くするために糖化力を高めます。アミラーゼ系の分解酵素が多くなるよう、製麹中は最高45℃程度まで品温を上げます。

甘酒の米麹もよく似た作り方をしますが、甘酒の場合は糖化力さえあればいいですが、白味噌は大豆と合わせて発酵するので、同時に蛋白分解酵素も要求されます。

それぞれの酵素が高められる温度帯が異なるので、両方を高めて米麹を作るのはとても難しい工程です。

糖化させる熟成

白味噌(西京味噌)の作り方、熟成
白味噌の熟成は糖化に適する品温55℃で長くとも3日程度で完了する早熟の味噌である

甘酒の作り方にとても似ています。

糖化に最適な熟成温度は甘酒の保温と同様に55℃が適温となっています。

しかし、味噌は固形物なので55℃まで品温を高めるのは至難の業。

つまり熟成工程での加温(人工的に温度を加える)は必須になるので、天然醸造の白味噌はありえません。

高温になるので大豆の皮が残っていれば赤黒く変色しします。塩分が低いので熟成期間は3日程度で完了するので、白味噌は早熟のお味噌と言われます。

一方、普通の味噌の場合は塩分が高いので熟成には時間がかかります。天然醸造なら気候にもよりますが1年前後、速醸法では品温35℃前後で約3ヵ月などです。白味噌の熟成がいかに短いかわかります。

代表的な白味噌の大手メーカー

西京漬け(西京焼き)用味噌の京都1830年創業株式会社西京味噌
株式会社 西京味噌のウェブサイトです。西京味噌の歴史や商品に対するこだわり、西京漬けの商品情報、レシピなどを掲載しています。
京都白味噌 石野味噌
創業天明元年、九代にわたる伝承の技でつくりあげる石野の味噌。京料理に欠かせない白味噌をはじめ、赤味噌、赤だし味噌、珍味・菜味噌など、老舗の味、本場の風味をお届けしております。
イヅツみそ - イヅツみそ
みそ造り一筋90年 讃岐の風土が育んだ甘口みそ
味噌造り118年 府中味噌・フリーズドライ味噌汁の浅野味噌
明治37年創業、府中味噌の醸造元。 国産原料にこだわり、天然醸造のお味噌をお届けします。

関西の白味噌大手メーカーのリンクを張ってみました。

これ以外にも周辺の地域には多くの白味噌醸造元があります。

大手メーカーは美味しく大量安定的が特徴かと思いますが、小さな醸造元ではもっとこだわりがあって尖がった白味噌もあります。意外と地元のだけに展開しているスーパーや生協には地場の蔵元の珍しい白味噌があるかもしれません。

さらに実用的な白味噌の選び方

実際に商品を手に取って選ぶときに注目すべきポイントに特化した記事もおすすめです。ご購入のさいの参考に、

以上、白味噌の知識を深めるお役に立てたなら幸いです。

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塩麹の作り方レシピ【初心者でも失敗しない】 https://www.kokonoemiso.com/komekouji/siokouji-recipe/ Fri, 07 Aug 2020 21:46:01 +0000 https://www.kokonoemiso.com/?p=6131 塩こうじの作り方レシピ
準備するもの
  • 米麹 200g
  • 水道水 200g
  • 食塩 60g

後は塩麹を入れる容器、スプーン、あれば使い捨ての手袋など

分量の米麹と塩を準備、塩麹の作り方レシピ

1、準備するもの

分量の材料でつくる塩麹は塩分約13%前後です。塩分量を減らすと痛み安いので注意です。

塩切りをする、塩麹の作り方レシピ

2、塩切麹をつくる

先に米麹と塩を混ぜまれ塩切麹を作ります。

先に米麹と塩を均一に混ぜる、塩麹の作り方レシピ

3、混ぜます

均一になるようによく混ぜます。できればスプーンではなく手で混ぜるのがベスト。手袋があれば清潔です。

塩切麹に水道水を入れる、塩麹の作り方レシピ

4、水道水を入れる

分量の水道水を入れて塩が溶けるまで軽く混ぜます。

水を入れた直後は麹と水の分離感がする、塩麹の作り方レシピ

、混ぜるとこんな感じ

この段階ではヒタヒタぐらいで、水と麹の分離感があります。麹の粒がはっきり残ります。

毎日、一回はかき混ぜる、塩麹の作り方レシピ

、1日1~2回、かき混ぜる。

直射日光が当たらない常温に置いて1日、1~2回、静かにやさしく混ぜます。

1週間後、分離感がなくなりやや麹がなじんだような感じ、甘い香り、塩麹の作り方レシピ

、約7~10日続けて完成。

麹と水の分離感がなくなり麹の粒が溶けたようになり一体感が出てきて、甘い香りがしてきたら完成です。

完成後は冷蔵庫で保存して下さい。
火も使わないので、とても簡単です。

毎日、かき混ぜるのを忘れがちですが、食卓の真ん中に置いておけば、子供が喜んで混ぜてくれます。

塩麹づくり、手軽に作るポイント

塩麹づくりをより簡単、手軽にするには手順2~3で容器を使わないようにするとグッと手間が省けます。

具体的には、米麹が入っていた袋に直接、分量の塩を入れて袋の外から揉んだり振ったりして混ぜます。

容器不要、洗い物が減るのでかなり楽になります。あとは保存容器に入れて水と混ぜるだけ。

塩麹づくり、失敗しないポイント

塩分が低くなり過ぎないように注意

本レシピでは塩麹の塩分は約13%になりますが、塩分が低すぎると発酵ではなく、腐敗がすすみ失敗することがあります。

より低塩分な塩麹を作ろうとしたり、米麹が水を吸ってしまって水分を後から足したりすると起こる失敗です。

水道水が無難です。

市販のミネラル水は賞味期限が短いです。水自体が腐りやすいのは常識です。長期保存するためには、塩麹には不向きです。

家庭の浄水器の水も同様ですが、ミネラル水より傷むリスクが高いので使用はおすすめしません。

どうしても水道水は嫌だという方は、水道水を煮沸して冷まして使うのをおすすめします。煮沸することで水中の雑菌は死滅します。カルキ臭さも抜けるのでおすすめです。

塩麹が茶色くなるのは失敗ではない。

最初は白かった塩麹が、混ぜながら日数が立つと茶色くなることがありますのが、これは失敗ではありません。

褐変(メイラード反応)と言い、糖とアミノ酸が反応して褐変色素(メラノイジン)が作られると茶色く変色します。

詳しくはWikipediaで。

ひつこく日数をかけすぎると酸っぱくなる

混ぜる日数が長すぎたり、塩麹が完成してから長期保存していると異常発酵し酸っぱくなります。おそらく乳酸発酵してしまっています。

酸っぱくなってまっても使う、という人もおられますが塩麹としれは料理に使いにくくなってしまいます。

長期保存したり、塩分が低かった場合に起こるので、塩分はしっかり確保しておきましょう。

塩麹とは

塩麹ブームは2011年、麹屋本店さんから発祥した「米こうじ・水・塩」で作る発酵調味料です。ブームからはや約10年、当時の爆発的人気はおさまり一般化しきました。九重味噌でも塩こうじ用に200gなどの少量小分けで米麹を買い求めるひとが格段に多くなったのを覚えています。

塩麹とは、米麹の酵素力を活用した万能調味料です。

  • でんぷんをブドウ糖などに分解し甘味をだす「アミラーゼ」
  • タンパク質をアミノ酸に分解し旨味をだす「プロテアーゼ」
  • 脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する「リパーゼ」

この蛋白分解酵素や糖化酵素のチカラで普段の料理をさらに美味しく食べよう、ということです。
では、実際にはどんな効果があるのでしょう。

  • 塩麹に漬けると、肉や魚が柔らかくなる。
  • 甘味、旨味のある塩として使える。

実際には、
単純に肉を焼く前に塩麹に漬ければ柔らかくできたり、ご飯を炊飯するさいに少量入れると甘味が増したりなど、使い方やレシピは沢山ネット上に挙がっています。

漬けレシピに使うのが塩麹の効果がでて良いと思いますが、さらに酵素が働く温度帯にも着目したレシピがあったりなど、簡単だけど、こだわれば奥深い調味料です。

市販の塩麹は価格が高すぎる、自分で作って50%節約

ブーム全盛の頃ほどの商品数はありませんが、今でも簡単に買えるようになった塩麹。
価格帯はさまざまです。

  • かなり高い商品 グラム 1000円
  • 高めの商品 グラム 200~300円
  • 大手や安めの商品 グラム 90~110円

はっきり言って、どれも高い

今回、ご紹介する塩麹の作り方レシピの分量は、

米麹200g、対して水道水200㏄、塩60gなのですが、実際に購入するのは米麹200gだけです。単純にこの分量で塩麹の上り量460gです。

食塩は家庭にある物を使うとして、
米麹は九重味噌の店頭価格でグラム110円なので、460gで220円。

家で作った塩麹はグラムあたり、約48円

安めのメーカー品と比べても50%OFFです。安すぎ。

作る手間賃を考慮しても米麹に塩切、水を足すだけ。完成までに時間はかかりますが、食卓に置いておけば、1日1回かき混ぜるのも忘れません。

塩麹ちょっとこだわりたい方へ

米麹、麹蓋を使った麹蓋製麹による手作りの生米麹

塩麹は米麹に含まれるプロテアーゼ(蛋白分解酵素)、アミラーゼ(糖化酵素)を利用している事は前述ですが、

その酵素力は米麹によって強さが異なるので、いろんな米麹で塩麹づくりを試してみるて、違いが分かってくると面白いです。

米麹を製造する際の温度経過によってどの酵素が強くなるかが決まってきます。意図的にどちらの酵素を強くしたいかはある程度、狙って製造されています。

しかし、それぞれの製造所によって「蔵癖」という制御しがたい違いがあり、一般に米麹はすべて同じというわけではなく、微妙な違いが多彩さを生んでいます。

特に機械製造ではなく、手作りの「麹蓋製麹」という米麹の製法で作られた蓋盛り麹と呼ばれる麹や、それに近い箱盛り麹、さらに簡略化した床製麹という方法などがあり、その違い「蔵癖」が顕著に出るので、いろいろな米麹で試すのも面白いです。

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ややこしい赤味噌と赤だしの違い【金スマでちょっと話題に】 https://www.kokonoemiso.com/miso/akamiso-akadashi/ Wed, 20 Mar 2019 23:23:57 +0000 https://www.kokonoemiso.com/?p=4238 2019年2月中旬ごろでしたが、金スマで「やせる」、「白味噌と赤味噌、ビネガー」についての内容が放送されたました。

放送のことを知らない私たち。その日以降、店頭に来店されるお客さんが多いなと感じてまして、さらにやたらと白味噌と赤だし味噌の1:1で購入される方がやたらと目立ちました。ホームページのアクセスも普段の10倍ぐらいになってたりして…

「やせる」とか「健康」のキーワードはすごく反応される人が多くて皆さま目がないですね。
弊社の売上が10倍とはまったく行かなかったですが、お味噌が注目されていい宣伝になりました。

当然、お問合せも激増しましたが、ご質問にお答えする中で気になったことが…

赤味噌、赤だし味噌の違いをほぼ知らずにお買い求めになられる方がとても多いと感じました。

中には、「思っていたお味噌と違うものが届いた」なんてことになった人も少なからずおられるのではないでしょうか。

そこで、今回は赤味噌と赤だし味噌の違いについて、お味噌の種類の解説も交えながら疑問の解消になればと思います。

金スマで紹介された赤味噌とは何か?

残念ながら社員で金スマの放送を見ていた者がいなかったので、ネットで個人さんのブログなどを読み漁って情報を集めてみました。

記事によっては「いい加減だなー」と思うものも沢山ありましたが、基本的にはどうも八丁味噌のことを赤味噌と番組では言っているようです。

八丁味噌(豆味噌)とは、

大豆を基にした豆麹と、塩でつくる1~3年などの非常に長期間の熟成を必要とする手間のかかるお味噌です。

みその分類でいうと豆味噌になります。大豆を麹とするお味噌です。

主な産地は愛知県で、有名なのはカクキュー八丁味噌さんです。
見た感じは「真っ黒」でほかの味噌にはない特有の香りと酸味があります。

ちなみに、八丁味噌はカクキューさんと他一社の登録商標になっていたと記憶しています。八丁味噌は商品名であり、味噌の種類としては豆味噌に分類されます。

金スマで紹介された赤味噌とは、豆味噌ことを指します。

豆味噌はとても癖の強いお味噌なのでストレートで味噌汁にして飲むのはちょっと大人でもきつい、なので赤だし味噌に加工されて出てくる機会が圧倒的に多いです。

赤だし味噌とは、

異なる種類の味噌を2種類以上合わせたものを調合味噌といいます。

多くの調合味噌の中で、八丁味噌(豆みそ)と米みそを合わせたものを赤だし味噌と一般に呼んでいます。

補足ですが、

赤だし味噌の「だし」は出汁入りじゃない。

「赤だし味噌」の「だし」は出汁入りではございません。

よく勘違いされている方もおられます。本当に出汁(鰹エキス、昆布エキスなど)が入ったお味噌には原材料表示に「だい入り」と明記することが数年前から義務付けられています。

九重味噌の「特選赤だし味噌」は、出汁は入っていないので原材料表示にも「だし入り」の表示はしていません。

豆みそのおすすめメーカーは?

弊社も赤だし味噌を製造しております関係で、新たな商品を作るときに八丁味噌(豆みそ)の比較を何度かしたことがあります。

業務用や市販スーパーでの代表的な大手メーカは以下。

  • カクキュー
  • 盛田
  • イチビキ

業務用の原料として使うので一般小売向けの商品とは違いますが、弊社九重味噌が原料として検討した際の主観による感想は以下。

カクキュー八丁味噌

カクキューさんは豆みそ特有の香り、酸味が濃厚で、とても硬い質感です。熟成は長期間を自然の気候で寝かせる天然醸造が採用されているので信頼できる商品です。

盛田(株)の豆味噌

盛田さんの豆みそも試しましたが、話を聞くと速醸(人工的に加温して品温を制御し短期熟成させる方法)で熟成期間が半年と非常短いので香り、酸味がカクキューさんには遠く及びませんでした。

また、酒精が添加されているせいか柔らかく、今までの弊社の製造における使用感とかなり違いがありました。

価格は安く魅力的ですが今回は不採用となりました。

盛田株式会社サイト | 盛田株式会社の公式サイトです。商品やブランド、活用レシピなどをご紹介しております。

弊社の赤だし味噌の原料は愛知県のカクキューさんから仕入れいます。
豆味噌の大手メーカーというだけでなく名実ともに八丁味噌の品質はやはり他社よりも頭一つ抜けて出ている印象です。

ただしお値段もそれなりにします。

他にも大小メーカーさん、商品がたくさんありますので、あくまで弊社が原料として検討した中でのお話です。詳しくは以下をご覧いただくと勉強になります。

愛知の豆みそ公式サイト
愛知の豆みその歴史や製法の紹介をはじめ、そのおいしさを多彩なバリエーションで楽しむためのレシピのご提案しております。愛知の豆みそトップページ。

結局、赤味噌(豆みそ)と赤だし味噌の違いをまとめると

赤味噌(豆味噌)と赤だし味噌の違い
  • 赤味噌(豆みそ)は大豆を原料に大豆麹を作り、大豆と塩だけの味噌
  • 赤だし味噌は豆みそと米みそをブレンドした調合味噌に分類される

上記2点が一番の違いです。

言われてみれば簡単なことですね。「金スマ」で紹介された白味噌と赤味噌の合せ味噌とは、豆みそと米みその合せ味噌のことにります。

赤だし味噌にも原料に豆みそが含まれているので「金スマ」でうたわれている効果は得られるのかもしれませんが、赤だし味噌だと商品によっては豆みその比率が低いものも多いので、赤だし味噌ではなく豆みそ(八丁味噌)を使うのがベストです。

一般的には豆みその比率を多くした赤だし味噌は、豆みその香り、酸味が強くなって癖が勝ってきますのであまり好まれません。原価も豆みその方が流通価格が高いので不利になります。

健康志向で「金スマ」の赤白合わせ味噌をされる方は豆みそ(八丁味噌)を使いましょう。

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進む米麹作りの機械化と、甘酒の酵素添加はあたりまえ!?裏話 https://www.kokonoemiso.com/amazake/kouji-kikaika-tedukuri/ Sat, 27 Jun 2020 22:33:31 +0000 https://www.kokonoemiso.com/?p=5982 2020年6月、コロナウィルスの影響で味噌の仕込みが激減するなか、久しぶりにお味噌を仕込んで米麹が出たので、甘酒の仕込みをすることができました。

久しぶりの甘酒製造だったので、感が狂ったのか2回ほど失敗が続き、出入りの仕入元の担当者に電話で相談すると数日のうちに顔を出してくれました。

その中で米麹作りの機械化の話になり…

小規模な醸造元でも麹づくりの機械化が進む

●●麹屋さん、ドラム式の製麹機を入れられました。

代表 5代目
代表 5代目

そうなんですか!?

規模が小さめやしホームページでも麹蓋こうじぶたつかって手作りでやってはる見たいな感じですけど。

逆に規模が小さくても、人手が足りてないところほど機械は入れたはりますね。

麹蓋こうじぶたに盛る前まで機械でやって、あとは麹蓋に移し替えたら一応は手作りですから。

代表 5代目
代表 5代目

理屈から言ったら定義には入るし手作り表示できるけど、最初からほとんど手作業でやってるウチとかアホらしくなります。

その製麹機ってどんな感じなんですか?

米洗いから、床もみまで自動でやってくれます。あとは機械でやってしまうか、そこから麹蓋こうじぶたに切り替えたりできます。

代表 5代目
代表 5代目

それ、めちゃめちゃ楽ですね。

米洗い機も、蒸し器も、放冷機も要りませんやん。麹作りの3日目の朝まで1人手放しってことですよね。

お味噌に「手作り」表示ができる。定義とは

2点の条件を兼ね備えてないと「手作り味噌」の表示ができません。

  • 麹蓋こうじぶたを使用して作った米麹であること。
  • 天然醸造であること
麹蓋とは?

麹づくりの工程の終盤に使用する道具のこと。
30cm×45cm、深さ5cmの杉材製の入れ物です。麹が成長すると大量の水分が蒸発するので調湿作用が優れている柾目が使われます。麹蓋で使って作った米麹を「蓋盛り麹」と呼びます。

サイズがさらに大きいものを「蓋」ではなく「箱」と呼び、箱で作る米麹を箱盛り麹と呼んだりします。

天然醸造は今回のテーマから外れるので割愛します。

手作りの米麹づくりとは

蓋盛り麹製法と、機械製麹の違い

手作りした場合の工程表です。
下の矢印→は機械製麹をした場合の工程です。

全部でまるまる三日間の行程です。
1日目の米洗いに始まり4日目の早朝に麹が取り出せるようになります。

手作りの米麹づくり流れ
  • 1日目
    米洗い・浸漬

    米を洗い浸漬します。
    (作業2名、1時間、米洗い機、浸漬水槽を使用。)

  • 2日目、午前
    米蒸し・放冷・種切

    米の蒸し、適温に放冷、種切り(麹菌を付ける)、麹室の床に「引込み」ます。
    (作業3名、3時間、蒸し器、放冷機、麹室を使用)

  • 2日目、午後
    床もみ

    床に引込んだ麹を撹拌し、品温均一化をする「床もみ」作業。
    (作業2名、1時間弱、粉砕機、麹室を使用。)

  • 3日目 午前
    麹盛り

    品温が上がった床の麹を150枚の麹蓋に盛る「盛り」作業。
    (作業2名、1時間、麹蓋150枚、麹室を使用。)

  • 3日目 午後
    手入れ

    麹蓋150枚に盛った麹は品温40℃以上になり、再びほぐし均一化する「手入れ」の作業。
    (作業1名、1時間、麹室、麹蓋150枚を使用)

    以降は室内の温度・湿度の管理調整を深夜までつづけ…

  • 4日目
    出麹

    成長具合を確認して米麹完成です。

3日目に麹蓋を使えば、手作り表示、可能

3日目に麹蓋を使えば、それまでの工程をすべて機械で自動化しても「手作り」の麹と呼べるのが現在の定義です。

つまり3日目の麹盛りの直前まで全て機械一台がこなします。
次に人力で麹蓋に盛るか、引続き機械で行うか、選べるというのが会話の中で出てきた麹作りの機械化です。

理屈としては通りますが、実際の麹作りは種麹を切ったところから、温度や湿度の環境管理が始まっています。

最初から自動で機械を入れてしまい、最後だけ麹蓋を使えば「手作り」と言うのは腑に落ちません。

米麹作りの機械化のメリットは大きい

  • 人件費不要、少人数化
  • 大量生産も可能
  • 省スペース、機械の数を減らせる
  • 遜色ない米麹の出来栄え

手作り製法では3日目の麹盛りに至るまでに、米洗い機、浸漬水槽、蒸し器、放冷機、粉砕機、麹室と床とたくさんの設備とスペースが必要です。

それがドラム式自動製麹機1台でこなしてしまうので、設備投資、維持メンテナンス、省スペース化には絶大な効果があります。

さらに、作業員が減らせるメリットは規模の大小関わらず絶大なコストカットが可能で効果が大きいです。

1人従業員を正社員で雇えば年間400~500万円以上が社会保障込みで必要になり、当然、雇用中は毎年この金額が必要になります。

これが機械の初期投資とメンテナンス費だけで済むなら、数年でペイするのは簡単です。

さらに機械の生産量少量化がされているので1回の製造で300kgなど手頃な生産ができるメリットも小規模な製造元にも機械製麹が復旧するようになってきました。

九重味噌では手作り製法をしていますが、米洗い機、放冷機、粉砕機などで一部機械化をしています。しかし、麹作りの品温管理はすべて人が目視でやっているので、あくまで機械は人の作業補助の性格です。

価格に転嫁できない手作り米麹は、お買得

自動機械製麹より圧倒的にコストが継続的にかかる手作りの米麹づくりですが、その価格が商品に転嫁されることはありません。

  • 最初の工程から手作り製法でつくる米麹はネット販売1000~1500円。
  • 機械製麹を公開して販売している米麹800~1300円。

私が楽天、アマゾンなど簡単に見た程度ですが、こんな感じ。
中には蓋盛り麹を謳っていても機械製麹より安く販売している麹屋もあって頭が下がります。

いずれにせよ、大きな価格差はありません。また、機械製麹から途中で麹蓋に移し手作り製法をうたっている米麹はプロでも見分けがつかないのです。

甘酒の酵素添加は普通になりつつある

どんどん手軽に、大量にコストを抑えて作られる米麹。

甘酒は米麹の糖化酵素で作る食品ですが、米麹の生産コストが高いので人工的に作った酵素を添加するケースが増えているらしいです。

  • 米麹の製造コストが高い
  • 甘酒の製造コストを下げたい
  • 効率よく生産できる
  • より甘さ(糖度)を上げたい

甘酒の原材料は「米麹、うるち米」がメインの原材料です。

この米麹を作るには機械製麹でも日数の手間がかかるわけなので、米麹を減らしても十分な甘さ(糖度)を手軽に得るために酵素添加されるようです。

ただし、注意したいのが…

この添加される人工糖化酵素は、ニホンコウジカビ(アルペルギルス・オリゼー)由来のものではなく、まったくの別物。

以前はニホンコウジカビ由来の酵素添加材もあったそうですが、米麹由来なので製造コストが高いので否由来酵素が圧倒的主流だと聞きました。

さらに、食品表示義務なし(原材料表示に表示されない)

麹だ、発酵食品は体にいい、酵素をとろう、健康にいい、毎日のんでます。

代表 5代目
代表 5代目

一応、米麹は使われていますが、

米麹由来じゃない人工酵素で甘くした甘酒って…(-_-;)

まあ、病は気から、健康も気から、ということで喜んで頂ければそれでいいのかな?

これからは機械で作る米麹がどんどん増える

米麹作りの機械化のメリットは非常に大きいとわかります。それも時代の流れで仕方がないのかもしれません。

  • 労働人口の減少、高齢化
  • 経営者の高齢化、廃業
  • 生産性の向上

もちろん全ての米麹が機械製麹を入れている、すべての甘酒が麹とは関係ない糖化酵素を人工添加してる、そんな商品ばかりではありませんが、かなり多くなっているそうです。

一般消費者の方には「安く、安定供給、美味しく」という恩恵は大きいですが、手作り製法にこだわった商品まで同列に考えてる方も多いので残念な部分もあります。

九重味噌もいずれは避けては通れない米麹づくりの機械化なのかもしれません。まだもう少しの間、一から手作り米麹にこだわっていこうと思います。

おすすめ、手作り米麹はこちら

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白味噌にカビが!?長持ちする扱い方 https://www.kokonoemiso.com/shiromiso/shoumikigen/ Tue, 30 Aug 2016 05:37:05 +0000 http://www.kokonoemiso.com/?p=2148 普通のお味噌と同じ扱いでいいの?
正しい白味噌の扱い方で、きれい長持ちする方法をご紹介します。

白味噌は保存食ではない、知っていましたか?

皆さんは白味噌をどのように扱っておられるでしょうか?

表面にカビが生えた、色がついてオレンジ色になってしまった、など経験がありますでしょうか。

白味噌(西京味噌)は淡色味噌の中でも特に白くクリーム色で高温にすごく弱いお味噌です。また、塩分の高い赤味噌や中味噌などと呼ばれる中間色のお味噌は保存食ですが、実は白味噌は保存食ではありません。

ガスシール性が高いもともとの包装袋

正しい白味噌(西京味噌)の扱い方を守り良い状態で長く使いましょう。スーパーで買ったカップ入りや、袋入りのお味噌はパッケージはガスシール性が高く空気を通しません。未開封の状態なら賞味期限までは確実です。

ただし、温度の影響はどうしても受けてしまします。

冷暗所以上の高温の保存環境ですと徐々にお味噌の色は濃くなっていくのは防ぐことはできません。

白味噌の保存ポイントは?

保存温度

保存のポイントは「温度」です。白味噌(西京味噌)の保存温度は冷蔵保存が絶対です。

パッケージ裏の食品表示をみると「冷暗所」と記載されているものが大半だと思いますが、鵜呑みにしてはいません。

人によって冷暗所がどんな場所か認識はまちまちだと思いますが、白味噌(西京味噌)は常温保存では色が濃くなったり、黒ずんだりと温度の影響を強く受けます。夏なら一日で変色します。

食品棚や床下の食品庫など高温になる場所に保存していると最悪カビが生えますので、ご家庭なら冷蔵庫で冷蔵保存がベストです。

空気に触れさせない

「空気」も大敵です。味噌の上の部分で空気に触れているところから、変色、カビが生えます。

使用後、次回の使用まで日数が空くときはラップで白味噌(西京味噌)の表面を空気を抜くように密着させると変色やカビの発生を遅らせられるので良いです。

白味噌を使用する際の注意

お料理の際に白味噌(西京味噌)を使用されるときは、清潔で水分を拭き取った乾いたオタマやスプーンを使いましょう。出汁が味噌に混じるのは傷む原因になります。出汁の方が足が速いからです。

代表 5代目
代表 5代目

ご存知の方が多いと思いますが、稀に保存場所が悪く白味噌をダメにされたお客さまから返品や、食べれるか?などの問い合わせがあるので、ご参考まで。

無添加の白味噌はさらに注意しよう

市販の白味噌(西京味噌)は酒精添加やソルビン酸Kなどの添加物で防腐対策されているので、それほどシビアに扱いに注意する必要はありません。

無添加の白味噌の場合は、上記にプラス注意が必要です。

  • 必要以上に白味噌に触れない

無駄に触れずに最小限で取り扱うと、酸素に触れる白味噌が少なく済みます。

逆に混ぜたりすると表層の空気や温度の影響を受けた白味噌が中心部に混ざってしまい、発酵がすすみガスが発生したり、最悪、酸味が出てきます。

冷凍保存も考えてみて

使う期間が長くなるときは、早めに冷凍します。

白味噌は完全に凍りませんので、近々使う分量だけスプーンで取り出して解凍できます。

冷凍はお味噌を変化させない一番の方法なのでおススメです。

賞味期限内でもお味噌の使用期間が長くなるのがわかっているなら早めの冷凍もおすすめです。

九重味噌の使用する包装袋は、

500g入り袋の包装袋は、ガスシール性が高い保存に適した袋を採用しています。

そのまま冷凍に耐えれます。

業務用サイズは簡易袋、保存には注意

ビニール袋に輪ゴム止めという最も簡素な梱包でお届けします。

簡易の袋なので空気を完全に遮断できない素材ですので商品到着後は冷蔵庫で保存して下さい。

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おすすめの甘酒はどれ?得する美味しい甘酒の選び方 https://www.kokonoemiso.com/amazake/amazake-osusume/ Thu, 21 Sep 2017 00:32:00 +0000 http://www.kokonoemiso.com/?p=2975 手に取ったパッケージだけじゃ解らない!
おすすめ甘酒の選び方を伝授

昨年から空前の甘酒ブームが来てます。大きなショッピングモールに行っても、地元の小さいスーパーに行っても必ず甘酒が置いてあります。

ブームとは怖いものですね。以前は甘酒は2~3種類が陳列されていれば良い方だったのが、今や多いところでは10種類以上の甘酒が売られているところも!酒造、味噌、食品などの大手メーカも参入する激戦になってます。

消費者としては甘酒の選び方に困ってしまいます。

得する甘酒の選び方をご紹介です。

甘酒のいろいろ、実際の商品を見てみる

たくさん種類を扱っているスーパーに甘酒を見に行ってきました。ざっと10種類はあります。半年ほど前は地元の酒造会社の商品もあったのでもっと多種類の甘酒がありました。

甘酒の選び方 容器で選ぶ

瓶入りの甘酒が主流です。酒造メーカーは主に瓶が多いですが、次いで缶入り、味噌大手M社さんは紙パックです。レトルトパウチなどなど。

なぜ、瓶入り甘酒が多いのか?ご存知でしょうか。

甘酒は賞味期限が長い食品ではありません。一般家庭で米麹から作った甘酒の日持ちは要冷蔵でも1週間ほどです。売り出すために賞味期限が1週間では話になりません。そこで火入れ加熱処理することで日持ちがぐっと良くなり6ヶ月以上ぐらいになります。

瓶に充填した甘酒を瓶ごと加熱してから密封します。瓶入りのジャムと同じで酒造会社はこういったことが得意です。

紙パックはどうなっているのか解りません。

どの包装方法でも共通して言えるのが、必ず火入れ加熱処理しているので賞味が長いです。

火入れすることで麹菌を殺し、麹菌が持っていた酵素のチカラを止めて異常発酵を止めてやります。パッケージに包装して市販することができるようになります。

ただし、甘酒の酵素、麹菌やビタミン類などの栄養が失われますので、栄養を重視されるなら無加熱の甘酒を選びます。

話がそれましたが、

私は瓶入りは捨てるときに手間だと思います。毎日健康のために定期的に甘酒を飲まれるなら瓶ゴミの日までに空瓶がたまってきますし、沢山の空瓶を捨てに行くのは重いですから瓶以外の包装容器がいいです。

甘酒の選び方 原材料を見る

甘酒の原材料を見るとその商品がどういったものなのか、大まかに知ることができます。さっそく見てみましょう。

ん!砂糖!?

原材料の一番最初に砂糖が登場します。その後に続くのは酒粕。甘酒は「米麹から作る甘酒」「酒粕から作る甘酒」があります。

前者は甘く、後者は酒粕から作られるので甘くないので砂糖など甘味料が足されるのが一般的です。どちらの甘酒も販売コーナーで混同してて販売されています。ラベルだけ見てもどちらの甘酒か判断できない場合もありますのでご注意を。

しかし、砂糖が一番に来るのはどうなのでしょうか。原材料は配合比が高いものから表示するので砂糖水を飲んでいる様な感じを受けます。

「米麹から作る甘酒」を選ぶなら原材料は、米・米麹だけのものを選ぶといいでしょう。甘酒を作るのに砂糖などの甘味料は必要ありません。本来は甘味料を入れなくても甘くなるのが甘酒です。

米・米麹だけで美味しい商品を選ぶことが、おのずと丁寧に作られている甘酒だと言えます。

甘酒の選び方 ストレート or 濃縮

主流はストレートの甘酒ですが、中には薄めて飲む濃縮タイプの甘酒があります。一長一短ありますので考えてみます。

ストレートの場合

そのまま飲める手軽さが最大のメリットです。早いです。

コップに入れて飲む容量の多いもや、1回で飲みきる一食用もあります。レンジや湯煎で温めて飲むことができます。

一食用の甘酒は温め方も手軽ですしコップを用意しなくてもいい、かつ保存もしやすく衛生的です。ただし、ゴミが増えます。毎日飲む方には不向きな場合もあります。

食べ方の自由度は低いです。飲むだけ。

濃縮の場合

薄める手間があります。お水で割る場合は水道水では美味しくありません。加熱する場合は水道水でも可。

最大のメリットは食べ方の自由度が高いです。

飲む場合はジュースで割ったり豆乳で割ったりと甘酒をアレンジすることができるので飽きが来ないです。他には毎朝ヨーグルトにかけたり、お料理の甘味料として加えたり、魚などの漬け料理にも使えます。

濃縮でも商品によって多少違いがあります。薄めるだけでも飲める甘酒、薄めて加熱が必要などなどありますが、共通して言えるのは味を美味しく飲むことを重視されるなら一度加熱した方が美味しいです。

あと濃縮なのでゴミは少なくて済みます。

甘酒の選び方 米麹の製法で選ぶ

甘酒の製法で大きな差が出るのが米麹の作り方です。

米麹は蒸した米に「もやし」と呼ばれる麹菌をふりかけて、麹菌を繁殖させて作ります。完成した米麹に「おかゆ」と水を加えて品温55℃を8時間以上保ち糖化させたものが甘酒です。

これから述べる米麹の製法は、甘酒の食品表示には載ってきません。また表のパッケージラベルをご覧いただいても一般の方には解らないかもしれません。

機械製麹

文字通り機械でつくる米麹です。甘酒に限らず、酒、味噌、みりん、全ての米麹を使った食品は機械製造が圧倒的に主流です。

大量に作れて人件費もかからない、ほぼ自動化されています。蒸米に麹菌をつけてから機械が熱風や冷風をあてて品温を制御して作ります。小さな機械でも一度に数百kgの米麹が作れて人の手も必要ないので非常に効率がよく、甘酒の価格も低く抑えることができます。

麹蓋製麹
麹盛り、白味噌(西京味噌)の作り方、手順

難しいそうな言葉ですが、簡単に言うと「手作り」です。

米麹を作る方法の一つですが、麹蓋(こうじぶた)と呼ばれる木製の箱に米麹を小分けにして作る方法です。まとまった量を製造するには専用の部屋のスペースと、麹蓋、あと作業する人が数人必要です。

なので圧倒的に効率が悪いのです。

機械製麹と違うのは熱風、冷風を一切使わないこと。機械は米麹自体の温度を強制的に変えていますが、手作りでは米麹が成長するにつれて発生する自然の熱を室温や麹蓋の組み方(置き方)を変えて適温に保ちます。米麹自体を直接に加熱したり冷却するのではなく、成長に合わせて米麹の居る環境を変えて成長を促す方法です。

「同じ米麹なら機械でいいのでは?」

そうとは言えません。手間のかかる「手作り」が今現在でも生き残っているのは、機械よりも断然に仕上りが良い米麹が作れるからです。

今でも本当にこだわった大吟醸酒は手作りで米麹が作られています。大吟醸と言っても規模の大きな大手は機械製麹です。本当にこだわりをもって作っている小さな酒蔵や味噌屋が手作りを続けています。

話がだいぶ横道にそれましたが、

美味しい甘酒を選ぶなら「手作り」の方が美味しい確率は高いと思います。使用されている米のブランドよりも製法を重視する方がいいです。ただ、上記のことは食品表示には書かれておらずパッケージのラベルを見て判断したり、甘酒を作っている会社のホームページなどで知ることができます。

ただし、機械製麹は当たり前で一般化されています。消費者に対する商品価値を上げる情報ではないので詳細は書かれていません。

甘酒の選び方 価格

幾つかのスーパーを見てきて甘酒の価格を見てきました。安いに越したことはありませんが、安いだけではなくコストパフォーマンスがいい甘酒の選び方を考えました。

価格の幅 100gあたり、52~172円(税込)

ピンからキリまで価格の幅がずいぶんあるようです。売場にあったのはストレートの甘酒だけでした。

大手酒造メーカーの甘酒は52円~68円ぐらい、大手味噌メーカーはちょっと高めで110円でした。大企業の甘酒でもこれだけ価格差があると注意して選ばなければなりません。一食飲みきりタイプが多いです。

地元の酒造メーカーなどは105円~140円ぐらい。大手に比べるとやはり割高感は否めませんが、酒米を使っているなど特徴を打ち出している甘酒が多いです。全て瓶入りでした。

その他、柚子などの柑橘のフレーバー系甘酒は瓶容器ということもあってか200円以上とずいぶん高くなります。

製造ラインの整備・包装容器・中間マージンなどがあり一概には言えませんが、買うのは一般のお客さんですので手に入る価格を重視して中身だけの値段として考えると、ストレートの甘酒で100円以上するのは高いと感じます。

実際に中身は「米と水」しか使っていません。米の値段はみな様よくご存じだと思います。時間と手間にコストをかけた甘酒が一番だと思います。

九重味噌の甘酒を考える

無添加、無加熱の甘酒(濃縮)

結局、九重味噌の甘酒をおススメする記事になってしまいますが、

麹蓋(こうじぶた)を使った手作りの米麹だけを使った全麹の甘酒。加熱していないのでビタミン類や酵素が生きている生甘酒です。飲む甘酒を作るには倍に薄めます。美味しさを優先するなら沸騰しない程度に加熱するとさらに美味しく。

手作りなので人件費のコストがかかりますが、お客さまへ直接販売しかしていませんので中間マージンや包装容器代がほぼ必要ないので、こだわりの甘酒をお手軽価格でお届けできます

九重味噌の甘酒の特徴は
  • 2倍濃縮甘酒
  • 国産米、無添加、無加糖
  • 加熱していない生甘酒
  • 手作り製法の米麹

実際のお値段は、2倍濃縮甘酒400gで、飲む甘酒が約600ml作れます。ストレート換算すると100mlあたりのお値段は、

単価 100mlあたり、87円(税込)

こだわりの甘酒がこの値段で飲める。いかがでしょうか?

と、おススメしていますが、他の大手メーカーの一食飲みキリの甘酒も使い勝手が良くて非常に便利です。召し上がられるスタイルや価格に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

一次のブームだけに終わらず、美味しく手軽に食べれる健康食品として味噌と同じく、多くの人の生活に浸透するよう願っています。

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西京味噌と白味噌、何が違うの? https://www.kokonoemiso.com/shiromiso/saikyoumiso-and-siromiso-chigai/ Tue, 23 Aug 2016 01:40:11 +0000 http://www.kokonoemiso.com/?p=2122 「白味噌と赤味噌の違い」で触れましたが、お住いの地域によってとらえ方が異なります。まず関西でいう白味噌と、信州味噌で有名な長野県で言う白味噌は違います。

ここでは関西でいう白味噌と西京味噌の違いについて説明します。関西の白味噌は広島、香川あたりから弊社がある滋賀県あたりまで作られています。

米麹・大豆・塩からなり米味噌に分類されます。非常に甘口なので甘味噌とも言われます。

西京味噌・関西の白味噌の特長

高い麹歩合と、糖化力

特徴は麹歩合こうじぶあいが高いこと。

例えば米20に対して大豆10の割合で仕込まれており、20割麹や2倍麹と呼ばれる比率です。

使用される米麹はアミラーゼを重視した糖化型の米麹にするため、米麹を作る製麹時の品温は高めで40度以上になる時間帯もあります。

熟成の品温・期間

仕込後は糖化するために品温55℃で熟成され、熟成期間は長くても3日間程度と短期で完了します。熟成期間が長くなると褐変し白色が損なわれます。

その為、普通の味噌とはまったく違う香りがして、味も非常に甘口になります。

この品温は甘酒を作る場合にも共通する点です。通常の味噌では白味噌ほどの熟成品温は必要なく、速醸でも品温35℃程度です。

低塩分

一般の味噌は塩分10%程度に対して白味噌・西京味噌は塩分4~6%です。低塩分にすることで特有の甘みを引き立てています。また熟成期間が短くて済む要因の一つでもあります。

なので一般に味噌は保存食とされていますが、白味噌・西京味噌については保存に向いているお味噌ではありません。

白味噌・西京味噌の白色

大豆の脱皮

正確には白ではなくカスタードクリームのような淡い黄色です。

白色にするため、大豆の皮は熟成時に色がついてしまう原因になるため、白味噌・西京味噌では大豆皮をすべて脱皮して使用するのが良いとされています。普通の味噌では脱皮しません。

大豆の「かぼし炊き」

また大豆煮では、「かぼし炊き」と呼ばれる方法がとられます。

通常の味噌では大豆は蒸しますが、白味噌・西京味噌では煮ます。さらに煮汁を交換し新しい水から再沸騰させる作業を数回繰り返すことで大豆を白く仕上げる手法です。

白味噌と西京味噌の違い

製法・特徴による違い

製法、特徴の違いはありません。

ここまで白味噌と西京味噌を分けて説明をしておりません。
「白味噌と西京味噌」は内容は全く同じ種類のお味噌であります。

あえて呼び方が異なるだけで、同じ種類のお味噌です。

呼び方の違い

西京味噌とは、関東の方々が付けられた名前で、西の京の味噌、西京味噌と呼ぶようになったそうです。京都を指すと思われている方も多いですが、関西では前述のとおり広い地域で作られていますので、関西では特に西京味噌と分類することはありませんし、関西人であえて西京味噌と呼ぶ人も少ないと思います。

白味噌と西京味噌の違いは、白味噌=西京味噌です。製法による違いもありません。

ただ注意したいのは関東の人たちにとって西京味噌とは高級なイメージがあるらしく、白味噌を西京味噌と名乗るだけでチョットお高くなるみたいです。

お酒などの趣向品ではないので、家庭で使われる普通のお味噌と同じく手軽に使えて親しめる調味料であってほしいです。

最高の白味噌(西京味噌)をお探しなら

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