白味噌の甘さの理由

なぜ白味噌は甘いのか

白味噌を使った料理は関東の人はあまり馴染みがないという方も多いかもしれません。

関東では信州味噌の中で色の薄いものを白味噌と呼ぶことがあるようですが、
関西で白味噌と言うと「西京味噌・白味噌」の甘味噌のことを言います。

関西では白味噌はお雑煮、田楽、酢みそ、ぬた和え、白和えなどで使う
ポピュラーなお味噌です。

「水飴が入っているから甘いんじゃないの?」

そう思われるている人もいらっしゃるかと思いますが、
そうではありません。

白味噌の甘さの秘密、というか白味噌はどんなものか、
知って頂きたいと思います。

麹歩合で甘さが変わる

白味噌の特徴の一つが麹歩合です。

麹歩合とは、大豆と米麹の配合比(重量比)を表した数値です。

例えば、大豆10kg、米10kgを使ったお味噌は麹歩合10といいます。
他の言い換え方をすると、等倍糀とも言います。

例えば、大豆10kg、米8kgを使ったお味噌は麹歩合8といいます。
簡単ですね。大豆10に対してお米が使われている量(比率)が分かります。

麹歩合10が、大豆:米=1:1、を意味します。
麹歩合10以下だと、大豆よりお米が少なく、麹歩合10以上だと大豆よりお米が多い
ということです。

前置きが長くなりましたが、

白味噌の多くは麹歩合20より大きい値になっています。
言い換えると、2倍麹とも言われ大豆量の2倍のお米を使っています。
中には3倍麹など高い麹歩合の白味噌もありますが、
高ければ良いとは限りません。塩分とのバランスも重要です。

もし、同じ塩分量のお味噌なら麹歩合が大きい方が甘口、甘みがあると覚えておきましょう。

信州味噌などは麹歩合10以下が多く大豆を沢山使ったお味噌です。

白味噌は塩分が低い

一般的に白味噌の塩分は4~6%です。
対して信州味噌は10%以上ありますので、倍以上の差があります。

塩分が高いとお味噌も辛くなりますので、甘さが命の白味噌は低塩分です。
塩キャラメルや、スイカに塩をふるのと同じで甘さを引立てる塩分量が大切です。

弊社、九重味噌の極上白味噌は甘さを一番大切にしていますので、
塩分3.7%と一般の白味噌よりも更に低く設定しています。

また、塩分量はお味噌の熟成期間にも影響しています。
お味噌は熟成することで味噌らしい味と風味、色が出てきます。また塩慣れといい塩辛かったお味噌がマイルドな味に変わっていきます。

塩分が高いと塩慣れに時間がかかり長い熟成期間が必要です。逆に低塩分の白味噌は熟成期間は非常に短くて済みます。
熟成方法にも大きな違いがあるので後ほど解説。

白味噌用の米麹が甘さの基本

今、米麹は甘酒ブームで脚光を浴びていますね。
自宅で米麹から甘酒を作る方が増えて売れに売れています。

ところで、まとめて米麹と言っていますが、それぞれ特徴の違いがあるのをご存知でしょうか。

ここまで、麹歩合、塩分とお味噌の配合比についての違いをお話ししましたが、
ここからは使う米麹の違いについての内容です。

米麹とは、「もやし」とか「種麹」と呼ばれる麹菌を蒸した米に付着させて麹菌を繁殖させたものです。

麹菌は米麹になる成長段階で分解酵素と言うものを作りだします。

でんぷんをブドウ糖などの糖質に分解するアミラーゼ
タンパク質をアミノ酸、グルタミン酸などの旨味成分に分解するプロテアーゼ
それぞれの強さ

大変、大まかですが上記2つの消化酵素とそれぞれの強さで、その米麹が何に適しているかが決まってきます。単純に糖化力、蛋白分解力と言ったりしますが、どちらの性質も同時に持っています。

「もやし・種麹」はもやし専門店さんから仕入れて使用しますが、そのラインナップは多種多様。定番でカタログに載っている麹菌だけでも10種以上あったりしますので、奥が深いです。

更に麹蓋製麹(手作り)か機械製麹かの違い、温度の違いによっても変わってきますので、奥が深すぎます。

白味噌の甘さには糖化力が必要

白味噌は糖化力を重視した米麹が使われます。
蛋白分解力も備わっていますが、糖化力を優先して強くした麹菌を使っています。

この糖化力が白味噌の甘さを出している最大の理由です。

糖化力を強化した麹菌(もやし)を使うだけでなく米麹を作る過程での温度設定でも糖化力に差が出てきます。
米麹を製造するときに温度を通常より高めに製麹します。

ちなみに、この糖化力の強さを量るには甘酒を作って判断できます。
甘酒が甘く美味しくできたなら糖化力が強い米麹、それと比べて甘くならなかった甘酒の米麹は糖化力が低かったと判断できます。

ちなみに、信州味噌などは蛋白分解力を重視しています。
味噌の香りが強く、いかにも味噌味噌!!と言った仕上がりになります。

逆に糖化力の強い米麹で普段の味噌汁ようの味噌を作ると甘味が増して優しい味になります。

好みに合わせて米麹を変えてみると面白いです。

白味噌は熱仕込

麹歩合、塩分、糖化力重視の米麹、と甘さの理由を話してきましたが、
最後は熟成方法による違いです。

信州味噌は即醸と言われる熟成方法で30~35℃などの適温を人工的に維持して3ヶ月などの短期間で熟成させます。

一般家庭での手前味噌なら常温で半年や一年寝かせる天然醸造でされる場合が多いでしょう。

白味噌はと言うと、

長くて3日間

チョー短いです。
白味噌は熱仕込と弊社では読んでますが、
50℃以上の品温で短期熟成する方法です。

白味噌の熟成温度

白味噌の原理は甘酒と同じなので熟成温度が高い

なぜ50℃かと言われたら、その根拠は甘酒にあります。
甘酒は甘いですね。その原理と白味噌の甘さは同じと言うことです。

甘酒は仕込んでから炊飯器やヨーグルトメーカーで8時間以上、55℃で保温し続けると完成します。
それが糖化させている状態です。

その原理と同じで白味噌も50℃以上で保温することで米麹の糖化力で甘さを出す熟成をします。
面白いですね。甘酒と同じ原理で白味噌の甘さが作られている。

ちなみに、白味噌が美味しい=甘酒も美味しくできる

白味噌の甘さは米麹から

基本は糖化力の強い米麹
2倍麹と低塩分
糖化させる熟成方法

以上が白味噌の甘さの理由です。
甘酒と違って白味噌は大豆処理の方法で色も決まってきますので、
重要なのは甘さだけではありませんが、今回お話したことが基本です。

水飴を使う白味噌がありますが、甘さに影響は少ないです。
照り感を出すというのが主な理由です。
以下の記事が水飴についてはこちらが参考になります。
白味噌で水飴を入れる本当の意味とは。

少しでも白味噌に親しみを持って頂けると幸いです。

九重の極上白味噌はこの基本の他にも自然な甘さを出す秘密の工程があります。
ご興味がある方は是非一度、ご賞味ください。

米麹の自然な甘さ、極上白味噌はこちらへ。

投稿者プロフィール

九重 彰寛web担当
白味噌専門の九重味噌。web担当をしています。

兼、取締役をしています。主にホームページの更新・作成と、味噌製造、店頭応対もしております。

日頃のお客様から頂くご質問や、そこから感じたこと、日々の白味噌について知って頂きたいことなどを配信していきます。